まぼろしのお菓子を天国の父へ


 先月11日に義父が亡くなりました。76歳の生涯でした。義父は、原爆投下後の被災地で育ち、若い時に建設業を個人でおこし、今は、株式会社として長崎では小さな規模ながら、そこそこの会社に育っています。

 その義父は、事あるごとに、会社の近くのお菓子屋「松貴堂」さんで、いつも「松葉」というお菓子を社員にお土産として買ってあったそうです。

 その義父が亡くなり、ご仏前にそのお菓子を備えようと義妹がそのお店に買いに行くと、店員さんから「そのお菓子は造っていない」とのこと。「どうしてそのお菓子を」とのことで聞かれて義父のことを話すと、すぐに店長にその話を伝えられました。

 店長が出てこられて、義父に似ている義妹の顔を見て、すぐに義父のことを思い出されたようで、店長は、涙を流しながらそのお菓子を特別に造ってくれることになりました。
 数日後、義妹がお菓子を受け取りに行くと、店長は不在でしたが、伝言で代金はいりませんとのことでご仏前までつけてありました。

 義妹の姉である家内は、そのお菓子を持って帰ってきて、涙を流しながら、余命宣告3ヶ月からもうすぐ半年になる愛犬にも与えてました。

 私も今、そのお菓子を食べながら涙しています。お会いしたことがないけどその店主に感謝をこめて書かせていただきました。大事な人へ届けたい曲「ローズ」とともに

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