アパシー(無感動・しらけ)

慶応大学の同人誌「三田文学」2006年度版秋季号の「アパシー」(片山飛佑馬)を再び読んだ。これは、小説家になりたかった本人が自殺前に書いたうつの記録ともいえようか。症状や感情は同じなんだと感じさせる。この中で、病気の作者に会った母は黙って聞いている

「僕はいま大きな問題にずっと付きまとわれている」「何につきまとわれているの?」僕はしばらくためらって後にこう答えた。「自殺願望」母親は少し考え込んでいた。しかし、その後にこう答えた「暇だからそんなことを感がえるんやわ。そんなこと考えている暇があったら土方でもなんでもして私を養ってよ」私はその答を求めていない。それはもっともな解答であるがその答を求めていない

私がうつを発病する直前に同僚がうつになっていた。その時にも上長は、「やつがうつになったのは、お前が仕事を与えないからだ。仕事をさせていればうつになる暇はない…」と言われたのを思い出した。