恐怖の電話


 一日、々が、長く感じられるようになってきた。母親の病気がいつ急変するかわからないからだ。以前、親戚の叔母が母と同じように肺がんで亡くなった時、一周間前に見舞いに行った時は、元気だったのに、急変し、亡くなった記憶があるからだろう。

 入院中の弟にも、覚悟をさせる必要があり、医師の許可を得て、母の命が短いことを伝えた。動揺するのが心配だったが、表情も穏やかに聞いてくれた。

 まだ、すぐにはないと思うのだが、電話のベルが鳴るたびに、ドキっとする。落ち着けと言い聞かせても何も手につかず、疲れだけが襲ってくる。