うらおもて人生録


色川武大(=阿佐田哲也)著…福武書店
 なかなか分厚い本だったので読み終えるのにも時間もかかった。著者の麻雀放浪記が有名だが、その本を書くまでの人生録が詰まっていた。人生は、ばくちと同じで9勝6敗が、いい人生だと説いている。仕事欲や出世欲もなく、生きたいままに生きる姿が描かれていた。

 それにしても風邪のやつめ、いいかげんに体から出ていってほしい。

 人生は、プラスマイナス0で成り立っていると聞いたことがある。ヤクザの世界も、普通の社会ではじきだされた若者たちなどが、間違いを起こさないようにとヤクザが囲い込むことで、平安が保たれている部分があるという。以前、たまたま知り合ったヤクザの若者は、事務所に親分が来る前に、掃除や洗濯、買い物、そして料理をして到着を待つ姿を見たことがある。一般の若者より、ちゃんとしているなと不謹慎と言われるかもしれないが、そう感じたことがあった。
 サッカーの試合も、エンドをとるか、キックをとるかをコイントスの結果の表裏で決める。人生の表・裏は、あまり考えたくない。病気か病気でないか、体調がいいか、悪いかで1日の行動も大きく違う。今回、風邪に負けて生きる気力の足を引っ張られた。田んぼに足をとられたのと同じかもしれない。今日こそは、抜け出さないと…