精神科医というビョーキ


富田 伸(著)…西日本新聞新書
精神科医が書いたエッセイ集。
 うつ病についてこんな記載があった。

 これまで僕はうつ病で休息を余儀なくされた方にはこのように言ってきた。『神様が下さった夏休みだと思ってください』。しかし、その苦しみは『夏休み』に譬え(たとえ)られるものではない。もしかするとこの人たちは、神様から選ばれた、しかし、そのことに自ら気づいていないだけの修業者なのかもしれない。

 また、著者は、日本最古のひきこもりは、「天照大御神」(アマテラスオオミカミ)ではないか、と説きながら、「引きこもり」と言う言葉にも疑問をいだかれている。さらに、面白かったのは、精神科医は、昔、いじめられっ子が比較的多いそうである。自分がうけた気持ちを活かして悩んでいる人をできるなら、解放してあげたいという気持ちがその道に引き込むのかもしれない。
 

自死企図、精神科医の戦い(現場から) 仕事も妻も失い、そして男は…