言葉が足りないとサルになる


岡田憲治(著)…亜紀書房

カバー、前書きから

すべてを「ウザイ」の一言で済ませてしまう大学生。「いまのお気持ちは?」以外に聞くことができないマスメディア。会議の席でいいたいことはあるのに発言できないOL。問題が勃発するたびに口を閉ざす政治家…。日増しに感じる日本社会の停滞は、言葉が圧倒的に足りないことが原因なのでは?
 こうした閉塞感を打開するべく、「豊かな言葉とたくさんのおしゃべりこそが、これからの日本を救う」と岡田センセイは立ち上がった。
 教育現場、会社、メディア、国会など、さまざまな例をあげながら、日本の現状と未来について語り尽くす。言葉の問題をとおして考えた<現代日本論>。

 言った言わない、自分より上の上司に先に情報を流したで部下の提案を殺す上司。これも、言葉の力で解決できないのかと著者は言う。さらにいまの携帯のメールの文字数から

「みなさん、他者にメッセージを送る際に256文字以内ですませるということ『だけ』をやり続けている人は、全員サル以下のアホになります。覚えておくように」

と、この本にかける著者の想いが綴られていた。確かに、メールなどは、誤解から不信感へとつながる。きちんとした言葉とおしゃべりが日本を救うとまで語られていた。今の短縮言葉への警鐘だろうと考える。

 気をつけないと、日本が猿の惑星いや国になってしまいそうだ。

ハウステンボスの観覧車も少しづつ工事が進んでいるようだ。観覧車の中で、みんな何を語るのだろう。