得たいのしれない恐怖


 台風が去って、久々の青空に、秋の雲と夏の入道雲が混ざっている。

 人間も生きるか、死ぬかの戦いを体や心の中で繰り返しながら、どちらかに傾いていく。
 我が家のベランダではもう咲かないと思ったハイビスカスが咲き始めた。ふと町の中で視線をおとすと、小さなひまわりが生きてるよと言っているかのように咲いている花を見つけた。

 まるで、夏の前に猛暑という季節が過ぎて、今夏がきているのかもしれない。

 梅雨の時期と同じように、心がさみしく感じさせる空気の冷やかさが何ともいえない恐怖感で襲われる。
 生きることは、苦しむことなのかとふと考えてしまう。