なぜ生きる…高森顕徹(監修)、明橋大二・伊藤健太郎(著)…1万年堂出版


 新聞の広告で目にとまり、衝動買いした。その冒頭ちかくで下記のように書いてあった。
 

「がんばって生きていれば、きっとそのうちいいことあるよ」と、それらしい体験の無かった人から無責任な励ましを聞かされても、「代わりばえしない生活がつづくだけ」が実感ではないでしょうか。そんな人々の感覚を『完全自殺マニュアル』は、つぎのように表現しています。

 あなたの人生はたぶん、地元の小・中学校に行って、塾に通いつつ受験勉強をしてそれなりの高校や大学に入って、4年間ブラブラ遊んだあとどこかの会社に入社して、男なら20代後半で結婚して翌年に子どもをつくって、何回か異動や昇進をしてせいぜい部長クラスまで出世して、60歳で定年退職して、その後10年か20年趣味を生かした生活を送って、死ぬ。どうせこの程度のものだ。しかも絶望的なことに、これがもっとも安心できる理想的な人生なんだ。(鶴見済完全自殺マニュアル』)

 今日、80歳にもなる母親が、入院の原因となった薬が使用できなければ「死ぬ」と言い出した。薬が使用できなければ睡眠薬で死なせてくれとも言い出した。

 看護師に事情を話し、その薬を預かってもらうことにした。心配で病院から帰ってくるとぐったりと私は寝込んでしまった。

 なぜ生きる…難しい課題にぶつかった。