脱出へ2時間


 ある九州の山の中、ガイドブックをよりに入った道が、普通の道でなかった。轍が深くて、車のタイヤが入り込んでしまった。周囲には、人や車もみあたらない。

 しかたなく、保険会社のロードサービスをお願いした。30分で到着する予定だったがたどり着かない。携帯電話も圏外になったりして不安がつのる。結局、自分が少し麓まで下りて助けをもとめることにした。

 時間は、連絡からすでに90分経過している。車に残してきた家内も心配の電話ばかりだ。やっとのことで地元の人が見つけてくれてトラクターで助けてくれるという。ほどなく、最初に頼んだレッカー会社の車が来た。助かった。普通の人が通る道でなかったそうだ。先日も同じ道で事故があったばかりだったそうだ。

 家内も私も遭難という2文字が頭の中で、警察へ電話かとおもうほど日は暮れてきていた。一歩間違えば、新聞に掲載されていたかもと家内と笑い話とした。