2車線をふさぐ


 数日前の仕事のミスからか、頭にしこりが残っていたのかもしれない。実家から病院へでかけようとする前に、ある宗教団体が、「少しお時間を」と近寄ってきた。こちらは時間がなくあせっていたので、「時間なんかない」と言うと、「チラシだけでも」としつっこい。「入り口はどこですか」と聞いてきたうえに、表札の名前の確認までしてきた。頭が完全に切れてしまった。

 病院で診察時にさきほどのようなこともあったと話しをしたら、安定剤(リボトリート)の増量を処方された。

 病院へ入る時も、ある車が病院から片側2車線の道路を右折して出ようとしていたのだが、両車線とも車の流れがあり、出られずにいた。左折してどこかで方向転換でもすればいいのにと思いつつ、こちらも入るに入れない。そこで自分の車のハンドルを右にきり、2車線をふさぐようにしてその車を出した。走行してくる車を止めることはどれだけ危険なことかわかるが、その時はどうでもいいやという気分だった。
 車がぶつかる恐怖より、誰かが襲ってくる恐怖感の方が支配しているのだ。
 診察が終わると、安堵感からか、どっと疲れが出た。

 朝から2回洗濯。期日前投票。母親の介護。車の洗車。弟の病院見舞い。自分の病院への通院。やっと4時に昼食でパン2つありつけた。